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記者会見する神山一成・大阪支店長=2025年1月9日、東京都中央区

 日本銀行は9日、地域経済報告(さくらリポート)を公表し、全国9地域の景気判断のうち、東北と北陸の2地域で前回の昨年10月から引き上げた。7地域は判断を据え置いた。また、追加利上げの判断材料となる春闘での賃上げ動向については、幅広い業種・規模で前向きな流れが強まってきたとの認識を示した。

 東北は、自動車メーカーの認証不正問題による出荷停止の影響が薄まり、工場の稼働が回復した。北陸は、能登半島地震の影響が残る一方で、住宅再建などの復興需要の拡大や政府の旅行支援制度で観光客が増えたことが寄与した。

 この日開かれた日銀の支店長会議では、企業の来年度の賃上げについて、「必要との認識が、幅広い業種・規模の企業に浸透してきている」との意見が多かった。人手不足が続いている上に、最低賃金が昨年10月に全国平均で過去最大の上げ幅になったことが、後押ししているとみる。

 賃上げの効果もあり、個人消…

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